トップ

【第1回】スタートの奥義(佐藤貴也・岩見貴史・有吉辰也)




【新型クラッチの申し子~岩見貴史】

スタート巧者の選手として岩見貴史の名前を口にしたライバルも多かった。
トーク巧者でもある岩見が長く時間を割いて、自身のスタート論を展開してくれた。

「養成所のころはスタートが苦手でよ~くエンストしてましたよ(笑い)。
自分がスタートを切れるのは性格じゃないですか。
マジでせっかちなものでして(笑い)。

自分にとって一番大きかった要因は新型クラッチです。
知ってました?新型クラッチって29期生(04年デビュー)の養成から使われるようになったんですよ。
だから、自分たち29期生が一番長いこと新型クラッチを使っていることになるんです。

新型は破壊力があります。パワーがありすぎて、それが空回りしてミスの原因にもなるんですが、決まった時は新型の勝ちです。
さっき言いましたが、自分たちの養成から新型が導入されたので、デビューした時に先輩たちが教えられないんですよ、使ったことがないから(苦笑い)。

”教えられないから旧型を使え”と言われていた同期も結構いました。
でも、自分は”自由にやれ”と放任してもらえたんです。
好き勝手にやっていたら、何とか自分の武器にすることができました。
スタート力がな自分になかったら、もうカンペキに丸腰状態でしょ(笑い)。

あと自分はスタート練習をたくさんこなしますが、練習から全力で切っています
スタート練習って、何気に選手たちの視聴率が高いんですよ。
そこで思い切って行って、”岩見が朝からすごく切れている!”とイメージを持ってらいたいんです。
そう思ってもらえたら、本番で相手がミスをしてくれるかもしれませんからね。

自分は0メートルオープンは1枠だけは本当にだめです。
だったら外の方がいいぐらいです。

あと、自分の場合、エンジンがいい時の方が浮きやすいですね。
時計が見やすいのはやっぱり地元の飯塚です。浜松はちょっと苦手です。

僕から見てスタートが速いなあと思う選手はタカヤと荒尾さんです。
そして、何よりも有吉さんです!!

何年か前に角度のある10メートル線で有吉さん大外で、自分は結構内目でした。
自分もスタートに自信がないわけじゃないので、ここなら行けるなと思っていたんですよ。
その日、レース前に選手紹介式があったんですが、有吉さんがファンの前で”外から全員を丸のみの刑にします”って宣言するんですよ。
そして、思い切り丸のみされちゃいました~(笑い)。
もう すごい勢いで外から飛んできて、マジであれはすごかった~!」

レースデータ提供:公益財団法人JKA
(C)Autorace Mobile
(C)2024 CYBIRD