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【第1回】スタートの奥義(佐藤貴也・岩見貴史・有吉辰也)




【ミスターカミソリ・有吉辰也】

昨年は有吉辰也がいよいよ甦った時だった。
13年に落車して以来、長くも苦しい不調に陥っていたが、再びカミソリの切れは戻った。

痛ましい落車事故の前、「誰がスタート速いか?」という質問は愚問だった。
「有吉辰也」の一択だった。
ほぼすべてのレースで会心のダッシュを披露して、序盤で早々と勝負にけりをつけてしまう。

そんな歴代最速ダッシャーにスタート持論を聞いた。
「自分はアドバイスを聞いたこと、自信がついたことが大きかったです。
養成所の頃は、スタートは全然だめでした。本当ですって(苦笑い)。

たぶんあちらは覚えていないと思いますが、伊勢崎の清水卓さんからいいヒントを頂いたんです。
自分と同じ25期生の岩沼靖郎の師匠なので、そのつながりで話を聞くことができたんです。

そして、自分なりに練習して、だんだん切れるようになってきました。
その後のレースで、うまくスタートが決まったんです。
もう、前を全部食えるぐらいの感じで行けて、やっぱりスタートで前に行けるとどんだけ展開が楽になるんだろうと痛感して、さらに改善していきました。

スタートを残すのではなく、絶対に前まで食う。切らなければいけないんだ!という気持ちになってからです、本当に行けるようになったのは。
0メートルオープンなら3,4,5枠あたりが好きですが、
自分が一番行けている時なら8枠からでも行けますよ。ふふふっ。

”外から丸のみの刑にする”といって本当に実行したことがあった?ええ、ありましたね。本当に調子ぶっこいていた時期の話です(笑い)
自分は練習はそんなに行きません
ただタイミングはゼロ台で出たいので、そこは練習で確認します。

自分から見てスタートの速い選手ですか?
岩見、タカヤ、鈴木宏和、篠原睦、あと永井大介かな。
昨年末のスーパースタースタ ー王座決定戦を見ていて、また自分もあのスタート位置に戻りたいなあ!と強く思いました。
また出場できるように戦っていきます(しみじみと)」

(取材・構成、淡路哲雄)

レースデータ提供:公益財団法人JKA
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