【バイク未経験者ながら、課題のスタートを完全克服した 男・中村雅人】
「子どもの頃からバイクに乗っている人はスタートが切れる」という青木の意見を今度は中村雅人にぶつけてみた。
中村は何度もウンウンと大きく頷いて聞き入っていた。
「全くその通りですね。自分なんて全くバイク経験がなくて選手になりましたからね。
感覚なんてわかるわけもないです。備わっていませんでした。
そりゃあ、養成所の頃から本当にスタートが遅かったわけですよね(苦笑い)。
前輪が浮いたり、挙動がおかしくなると、もうびびって思い切り行けませんでした。
基本、びびりの性格なんでね(自嘲気味に笑う)。
だから2級車の時とか1級に乗り替わった頃なんて、もうスタートで食われまくりましたよ。食われて当たり前でした(また苦笑い)。
そこから追っていくしない展開を自分で作っちゃていました。
自分が少しでもスタート力を改善できたのは機械です、はい。
自分に合うクラッチを探して、エンジンも作っていって、やっと少しは行けるようになりました。
僕は新型クラッチは浮きやすいので、今はまた旧型を使っています。こっちの方が安心感があります。
でも、また新型にうまく自分の車を合わせていけるように、見つけることができるように仕事を続けていきます。諦めてはいません。
自分は何をやるにしても時間がかかっちゃうんですよ(苦笑い)。
スタートが速いと思う選手ですか?永井さん、青山、圭一郎、荒尾さん、それとタカヤかな。もう、本当にみんな速いですから~。
0メートルオープンは3、4、5枠ぐらいの真ん中にいたいですね。2枠もいいですが、1枠はうまくないです。どうしても立ち上がりで遅れちゃいますね。
時計はどこも問題なく見ていますが、自分はまぶしいのが苦手です。
だから伊勢崎ナイターの光がたまに気になることがあります。
目は悪くないんですけれどねえ~」
(取材・構成、淡路哲雄)