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[淡路コラム]谷津圭治・福岡鷹
2025/02/21



4年に一度しか舞台がやって来ないオリンピックとはまた違う難しさが、このオートレースにはある。

年間を通して、来る日もまた来る日も勝負に挑まねばならない。今日勝利したとしても、余韻に浸っている時なく、すぐに次の戦いに備えねばならない。負けてメソメソしている暇もない。リベンジの時はすぐさま訪れるのだから。

その時々の勝った負けたで感情を上下左右に振り散らかしていたら、いつかメンタルは摩耗してしまう。だから、「平常心」「マイペース」を維持し続けることの大切さがここに必要となる。

谷津圭治。彼こそ、Mr.不動心である。1997年に25期生としてデビューして以来、この男ほど日々の感情を表に出すことなく、マイペースとポーカーフェイスを崩さぬまま、このタフで過酷な世界を生きてきた。

「だってオートレースは自分の仕事だもん。だから、頑張る。それしかないなあ。他に考えたこともないですよ。もちろん勝ったらうれしいし、負けたら悔しい。この年(47歳)になったら体力が落ちてくるとかそういうことはあります。でも、それをどうのこうの言っても仕方ないからね。ケガをしないで頑張って走る。それを続けていくだけですよ」。何というかもう悟りを開き切ったタニツ仙人の訓話を聞いているようです。

キャリアを長く重ね、40歳を越えていくと同期の結束はより強くなる気がする。バリバリ全盛期の頃はライバルであっても、年を取ればみなが同期の活躍を喜び、刺激を受けている。「そりゃあそうですよ。人はそうならないと。人間のカドが取れて少しずつ丸くなっていい。ただいつまでも丸くならないで熱い人はそれでいい。それを僕は否定しませんけれどね」

すべてを達観した男が、今日も明日もこれからもぶれない平常運行をいつまでも続けて、ひっそりと個性をにじませていく。



レースデータ提供:公益財団法人JKA
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