■沢朋之
今回も6日間の長きにわたっての最高峰決戦となった浜松・SG全日本選抜。
全72個レースが全て良走路で行えたのはこの時期の開催ならではであったが、10Mオープンの初日2R予選では地元・浅田真吾選手の試走落車、3日目は伊勢崎の絶対王者・高橋貢選手の当日身体欠場など前半はやや波乱含み。
そしてとどめの大波乱が同日12R、地元S1鈴木圭一郎選手によるまさかまさかのフライング失権であった。再スタートとなった圭一郎選手に2日目までの勢いなく、結果着外(5着)は、3連単427,000円という超絶配当を生んだ。
4日目最終予選からは0Mオープンに。スタートラインの角度がなくなったのも味方に、初日から4連勝を飾ったのは、青山周平・黒川京介の両選手であった。
準決勝戦でも共に1着で優出を決めた両選手。優勝戦はどちらが勝っても6日間完全Vという、誠にシビレる状況に。
【2/11 12R 優勝戦】0Mオープン 5100M
①青山周平 3.26
②黒川京介 3.26
③鈴木宏和 3.26
④金子大輔 3.28
⑤佐藤摩弥 3.30
⑥伊藤信夫 3.28
⑦有吉辰也 3.29
⑧長田稚也 3.28
枠番選択順は①号車・青山周選手を筆頭に枠順通り。もちろん最大の注目は内枠勢のスタート展開。
当日朝のスタート練習では「青山さんより行ける感じがなかった」という黒川選手が、表情的にもややトーンダウン気配が見てとれた。
レース本番。先行はコンマ02のタイミングから③鈴木宏に、次いで青山周。両者に挟まれる形となりゴール戦手前で失速した黒川に代わり、内々立ち回った金子大が3番手で2コーナーを立ち上がる。1周3Cの隊形は③①④⑤⑥⑦⑧②。
そこから2周3コーナーでは青山周が鈴木宏に盤石の差しをお見舞いの逆転。その後は今や代名詞となったおさえ逃げで、最後まで車間を開けずに追い返す鈴木宏をものともせず、通算18個目のSGタイトルをもぎ取った。
かねてからの課題であったレース後半のペースダウンを10周戦で克服した鈴木宏選手にとっても、今後に向け実りの多い準優勝であった。