■沢朋之
V候補筆頭格・鈴木圭一郎病欠の報でスタートした飯塚GI開設記念。
終わってみれば浜松同期・鈴木宏和が悲願の初グレードタイトル奪取となったわけだが、単に圭一郎の欠場が宏和にとってチャンスとなったということではなく(もちろんそれもあるだろうが)、「圭一郎がいないなら俺が!」という、いつも以上の「臨む気持ち」が宏和選手を優勝に導いた…そんな気がしております。
苦手の湿走路で序盤7番手からさばいて3着に上がった初日。
2日目の良走路では試走3.27を出すもここでも3着止まり。
3日目ブチ(ほぼ良)走路では序盤で不利を受けたものの2着。
準決勝戦ではかなり水分のあるブチ走路の10Mオープン大外からカマシスタート決めての堂々1着優出。
そして優勝戦ではもう皆さんもご存知の通り、10Mオープン⑥枠からの見事なトップスタートで8周回逃げ切り。
優勝インタビューでは「朝当てたタイヤが良くラッキーでした」と、跳ねのないタイヤの発見もあって流れを手繰り寄せた宏和選手。一本取ったことにより精神的にも成長し、今後のグレード戦線で2強を脅かす存在として定着することに期待したい。
湿、ブチと不安定走路が多く、各選手の評価は難しい開催となったが、他では優勝戦でスタート大きく浮かせての8番手スタートから猛然と追い上げて準優勝までもぎ取った佐藤励の超抜足、GI初優出を果たした石本圭耶のスタート・道中と安定した成長ぶりなどが記憶に残った。