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浜松G1ゴールデンレース振り返り


■沢朋之
今年もGW明けの開催となった浜松GIゴールデンレース。優勝戦は0線に実に久々のGI優出となった大ベテラン・篠崎実を置き、10線が7車の並び。
最内トップスタートから早々にその篠崎をさばいて先頭に立ったのは②小林瑞季。道中2番手での③荒尾聡④鈴木宏和の競り合いを尻目に、後続との車間を徐々に広げていく展開に。
試走断然の3.25で人気中心となった⑧鈴木圭一郎はスタートのカマシ決まらず、序盤7番手から。さすがに10Mオープンに近い並びの大外からは厳しいか…との下馬評もあったが、それでも一車一車着実にかわして追い上げていく。
残り3周で同期・鈴木宏をかわして2番手に上がると、先頭で粘る小林瑞を7周1Cでとらえてついに先頭へ。完全Vでゴールデン連覇を飾った。

そしてその後も、圭一郎選手の2連対をほぼ外さない快進撃ぶりはご存じの通り。直近の地元普通開催でも、連日の熱走路の中でも難なく4日間完全Vとなり、今や無敵の状況が続いている。

同じ優勝戦に乗った選手が「⑧号車(圭一郎選手)が同ハンでは勝てっこない」とコメントしたり、ファンの間でも「圭一郎のレースは堅すぎで面白くない」という声が聞こえる昨今だが……いいではないか。現今の荒れて買いづらいレースが多い傾向の中で、常勝・本命選手の存在はむしろ貴重であり、並々ならぬ精進努力をして、安心して買えるレースを提供してくれる選手には素晴らしいの一言しかない。

先日、もう一人の常勝組・青山周平選手も開催中コメントで「スーパーハンデは嫌」と吐露していたが、圭一郎選手においても今後はスーパーハンデは無しにすべきではないか。彼らは類い稀なる才能と人一倍の努力をもって日々勝ち続けているのであり、「勝って当たり前・つまらない」ではなく「毎日すごいレースを見せてくれ、確実に(車券を)当てさせてくれる選手」として見た方が、ファンの皆さんにとっても幸せだろう。
スーパーヒーローと同じ時代に生きる感動を味わいたいものだ。

レースデータ提供:公益財団法人JKA
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