■沢朋之
昨年に続いて今年も浜松で行われた9月の特別GIプレミアムカップ。
気候もだいぶ変わり、日本選手権での各選手の動きに参考度は薄いかもしれないが、同じ浜松走路ということで一応振り返りを。
初日予選は湿走路に始まり、ブチ走路を経て4Rころからほぼ良走路。オール10Mオープンの番組構成の中、初日から⑧枠勢の活躍が目立ち、それでも全レース中半分の6個レースが万車券と荒れ傾向のもとスタート。
2日目は照った良走路となり、最高56℃まで上昇の熱走路に。しかしここでもしっかり追い込む⑧枠勢。内枠勢のハンデ重化のせいもあろうが、全体には上位勢が力量の違いを見せつける流れに。しかし内・中枠勢の伏兵が車券に絡むこと多く、この日も万車券5本が飛び出した。
迎えた3日目準々決勝戦からはオール0Mオープン(枠番抽選)。ここではセンター好枠を引いた佐藤貴也(5R)、黒川京介(7R)らスタート巧者たちがしっかりとダッシュを決めて勝ち切るなど、変わらず最上位格の選手たちの活躍が続いた。
そして天下分け目の準決勝戦。
9Rではイン先行した①有吉辰也、続いた④鈴木宏和が、⑤長田稚也の猛攻をしのいで押し切り。
10Rではセンターからカマシ一気飛び出した⑤佐藤摩弥が、外⑥木村武之を引き連れて両名で後続を突き放す流れに。道中木村が佐藤を逆転で1着での優出決めた。
続く11Rでは④伊藤信夫のトップスタートを⑤黒川京介が2番手から序盤で逆転。4番手で出た⑦佐藤貴也も道中で伊藤を逆転しての2着に。
最終12Rでは②青山周平が先行。2番手で出た④中村雅人が終始車強めに追い、ゴール戦では中村の外チョイ差し届いて大逆転。場内を大いに沸かせた。
そして優勝戦。0オープンの並びは①黒川②有吉③中村雅④木村武⑤青山周⑥鈴木宏⑦佐藤貴⑧佐藤摩。
外枠3車のスタートダッシュに穴期待もあったが、黒川のイン先行に2番手で出た青山を鈴木が2C立ち上がりで差し逆転して3Cは①⑥⑤⑦。
直後に鈴木を再逆転した青山が、黒川を3周1Cで逆転して先頭へ。
地元筆頭・鈴木圭一郎の不在は寂しいところであったが、最高峰級レースを見事勝ち切ったS1(当時)の姿に、場内は大いに湧いた。
他にこの開催で目立ったのは、優勝戦先行でプレミアムタイトル獲得か、と夢を見させてくれた黒川京介。そして準決勝ではそのS1青山を最後追い詰め差し切った元祖当地巧者・中村雅人の動き。選手権でも両名ともに要チェックの存在となろう。