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伊勢崎SGオートレースグランプリ振り返り


■沢朋之
選手もファンもすっかり慣れた(?)6日制SGとして行われた伊勢崎SGグランプリ。
長い長い4日間の予選道中は、初日が良走路のもと、早くも⑧号車の上位着が中心に。2日目も良走路となり、ここも上位勢が着々とポイントを貯めにかかる。8R他落となった平田雅崇がこの日をもって参加解除の憂き目に。

3日目は①②号車の逃げか⑧号車の追いかという展開で、地元女子レーサー新井日和に、地元選手会長・中野光公が共に内枠から逃げて1着と気を吐いた。
ここまで3日間、上位勢で動き目立ったのは連覇狙う青山周平はもちろん、前節地元優勝からの転戦となった永井大介のスタート・道中の高位安定ぶりだった。

迎えた4日目最終予選は湿からブチ走路。ナイターになってからはほぼ良走路となるも、最終12Rでは再びの雨に完全湿走路と、選手にもファンにも難しい1日に。
そして10Rでは序盤の大クラッシュ。落車に巻き込まれた永井選手は、ここまで3連勝で順風満帆の流れだったが、無念の参加解除に。

予選トップ通過は青山周平、そして今節大健闘の同じく地元・田村治郎。日に日に調子を上げてきた鈴木圭一郎もなんだかんだで3番手に付けている。

5日目・準決勝戦も湿走路でスタート。9R(0オープン)では②篠原睦の先行逃げを執念で追う④佐藤貴也が同期・早川清太郎との大競りを制して2着入線。

やや乾いてブチ発表となった10Rでは、このぐらい水が引けば、とばかりにスタートダッシュ決め逃げる⑤鈴木宏和を、序盤4番手から抜け出した④中村雅人が追う展開に。鈴木が難走路の8周回を逃げ切り、中村も終盤⑧荒尾聡の猛攻をしのいで優出切符を手中に。

ほぼ良走路並みの試走タイムが揃った11Rでは、センター④金子大輔のスタート先行を⑦鈴木圭一郎が前半で逆転。金子の後半アシも良く、そのまま浜松ワンツーの結果に。

そして最終12Rは②黒川京介の先行を④青山周平がさばいて人気集中両者での決着。
準決勝を終わってみれば、優勝戦8名のうち4名を占めることとなった浜松勢の健闘が光った。

6日間、72レース目となる優勝戦は良走路。枠番選択順1番で迷わず①枠を取った青山周が、渾身のイン先行。2番手で追うのは③鈴木宏和だったが、さすがに抜くには至らず、その後もエンジン強めに追いすがるが、中盤では滑り出し、徐々に車間を開けられる。
代わって2番手に躍り出たのが④黒川。さらに終盤には⑤鈴木圭一郎もなんとか3番手の車券圏内に上がるも余力なく、そのまま青山周平選手がグランプリ連覇にして4度目制覇のゴールを駆け抜けた。

勝利者インタビューのお立ち台では、破顔一笑の表情の中でも「(地元勢が自分一人となってしまい)自分がやるしかない、と思ってできる限りのことをやった」と、地元エース、いや業界トップとしての責任感溢れるコメントが印象的だった。

今回6日間、予想を続けていて思ったのは、伊勢崎新走路に合わせる調整の難しさ。
それとフライングの多さもあってスタート展開が予測と大きく変わってしまうシーンが多かったこと。

レースデータ提供:公益財団法人JKA
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