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川口G1キューポラ杯振り返り


■沢朋之
川口伝統のGI・キューポラ杯。今年はトップ2(青山周・鈴木圭)が不在のメンバーとなり、優勝争いの下馬評は混沌。このチャンスに初のGIタイトルを狙いたい地元女王・佐藤摩弥。そして近況絶好調続く日本一のスタート・鈴木宏和にも初タイトルのチャンスと見えた。

例年「荒れるキューポラ」として名高いが、今年も初日前半こそ穏当な流れが続いたが、7Rで3連単29万円台の超大穴が飛び出すと、以降は後半だけで万車券4本の荒れ放題。
2日目以降も軸の絞りづらいレース傾向が続く中、それでも万車券は各日3・4本にとどまり、車券ファンの皆様の賢明さも伺われた。

迎えた4日目。今開催初の照った気候のもとでのスタートとなり、1Rの走路温度は56℃。それでも準決勝9Rを迎える時間帯には40℃前後まで下がり、ベストコンディションと言っていい中での激戦に。

9Rでは今節V候補の一角を占める鈴木宏和が、イントップスタートの丸山智史を道中かわして1着。地元期待の黒川京介は3着止まりで涙を飲んだ。

10Rは10線・小林瑞稀がスタートで大きく滑らせ落車。競走不成立となり、規定によって⑦高橋貢、⑧金子大輔の外枠両者が優勝戦へと駒を進めた。

11Rでは0線・高石光将が見事逃げ切り。10線からは上和田拓海が永井大介を振り切って押し切り、嬉しいGI初優出を決めた。

12Rではここまで決して好調ではなかった佐藤摩弥が10オープンの遠い⑦枠から目の覚めるカマシ決め1コーナーにトップで飛び込む。インから2番手に残した①早船歩も最後まで2番手を死守。怪我明けの復帰戦ながら優出の大健闘となった。

迎えた最終日優勝戦は以下の通りのメンバー・試走タイムのもとスタートを迎えた。天候晴れの良走路。走路温度は37℃。

《優勝戦》
①高石光将  0  3.36
②早船歩   10 3.35
③丸山智史  10 3.33
④上和田拓海 10 3.34
⑤鈴木宏和  10 3.31
⑥佐藤摩弥  10 3.33
⑦高橋貢   10 3.31
⑧金子大輔  10 3.34

オッズ人気中心となった鈴木宏選手は、丸山選手に続く10線2番手スタートで序盤3番手。前を早めにかわしたい1周4C、立ち上がりでやや滑らせたところを、追走の佐藤摩選手にインすくわれ逆転許す。
そこから先は摩弥選手の猛攻際立ち2周3Cで丸山選手を差しかわすと、大逃げに持ち込んだ高石選手との車間を徐々に詰め、6周1Cでついに逆転。鈴木宏選手も続くが、仕掛ける圏内までは届かず。
佐藤摩弥選手がついにGI初タイトルを獲得。ウィニングランでは場内の地元ファンからの大歓声に応えた。

今回のテーマであるグランプリをはじめ、いよいよSGへの挑戦が本格化する女王の動向に目を離せないこの夏~秋となりそうだ。

レースデータ提供:公益財団法人JKA
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