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飯塚SG日本選手権振り返り


■吉田修叶
やはり、青山周平は強かった…。開催を振り返って、そう感じた方は多かったのではないでしょうか。前回のSG日本選手権オートーークでは、青山周選手に対して攻略法を自分なりに考えてみましたが、結果的には強さをまじまじと見せつけられた形に。それでも攻略のヒントは少しずつ見えてきたのでは。

まずは初日、今回唯一の青山周選手に勝利したのが佐藤貴選手。0mオープンの1枠からトップスタートを決めると、その後は変幻自在の走法で後続を翻弄し、青山周選手まで抑えて勝利。
青山周選手ほどの技量を持ってしても、スタートが決まらないと苦戦する展開がここでは見られました。
2、3日目はしっかりと立て直してトップスタートを決めると、後続をシャットアウト。これは青山周選手の必勝パターンで、車券勝負された方は安心だったのではないでしょうか。

4日目の準決勝戦では、好枠の3枠に青山周選手が入り、誰もがトップスタートを決めると思われましたが、ここで注目したいのが鈴木宏選手。大外枠の8号車から青山周選手まで飲み込む、会心の一撃のスタートを決めてくれました。この鈴木宏選手のスタート力は、現オートレース界ナンバーワンと言っていいと思います。それでも慌てず、しっかりと1着ゴールで優出を決めた青山周選手。
迎えた最終日の優勝戦。勝ち上がったメンバーはこちら。

【SG日本選手権優勝戦】(5100M)
①鈴木圭一郎 0 3.27
②荒尾  聡 0 3.30
③高橋  貢 0 3.27
④青山 周平 0 3.27
⑤松尾 啓史 0 3.31
⑥三浦 康平 0 3.32
⑦有吉 辰也 0 3.31
⑧早川清太郎 0 3.30

1枠の鈴木圭選手がトップスタートを決めて、4枠の青山周選手が2番手発進。1周回3Cでは、荒尾選手と有吉選手が競り合う形となり、有吉選手が落車。場内の地元ファンからは大きな悲鳴があがる。
注目は一気に前の2車に集まり、勝負は2周回3C。ここで青山周選手が鈴木圭選手のインに飛び込む。両者ともに流れるも、青山周選手が先頭に立つ。ここからは青山周選手の必勝パターン、高速イン走法が炸裂。鈴木圭選手が懸命に追い、場内からも行けー!と大きな声援が飛び交うも、先頭を守り切った青山周選手が1着ゴール。

冒頭でも述べましたが、青山周選手が優勝戦でさらなる強さを見せつける形となりました。前回のオートーークで、攻略法として挙げた2点。

○1対1の状況ではなく、1対2の展開を作り、その隙を狙う
○トップスタートを決めて逃げ切る


この状況を作っても、青山周選手には勝てない結果に。
それでも、1枠からトップスタートを決めた鈴木圭選手や、初日にスタート先行から勝利した佐藤貴選手の走りを見ても分かるように、今後の青山周選手が苦戦するシーンは十分に考えられます。

今回のG1開設記念レースはハンデ戦なだけに、大外になれば内枠の選手がスタート先行から押し切る形は十分に考えられ、チャンスは誰にでもあると思います。

さあ、今年の飯塚走路ではG1ダイヤモンドレース、SG日本選手権を優勝。相性抜群の飯塚走路でG1開設記念レースまで制して、ハルクがスーパースター王座決定戦まで突っ走るのか、そうはさせないと地元エース荒尾選手や鈴木圭選手が待ったをかけるのか、5日間乞うご期待。

レースデータ提供:公益財団法人JKA
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