■ジェット社
さぁ、いよいよSG日本選手権です。
全レースが無差別の0Mオープン戦で行われ、真の最強レーサーを決める開催であり、オートの歴史上、名誉ある最高峰のレースだと言われています。
過去に、中村雅人選手が「スーパースター王座決定戦」を優勝した後に、「まだ日本選手権を獲っていないから満足できない」とコメントしたことがあります。それほど選手達が最も憧れるタイトルだと言えましょう。
そんなSG日本選手権。今回が年末のスーパースター王座決定戦トライアル出場(※以下「SS出場」)をかけた最後の戦いとなります。
そこで私の方からは、現在のSS出場権の状況をおさらいしたいと思います。
念のために、SS出場(16名)の条件を挙げさせて頂きます↓
・今年のSG優勝者
・各場競走成績第1位者(1/1~10/31)
・今年のSG及びプレミアムCの優勝戦のポイント獲得上位者
まず「今年のSG優勝者」と「各場競走成績第1位者」が確定され、この選手達を除き、残りの枠は「ポイント獲得上位者」となります。
今年のSG優勝者(今年はここまで3開催なので3名)と、各場競走成績第1位者(5場あるので5名)は、ユニーク(全て別の選手になった場合)であれば8名の枠となりますが、しかし通常は重複する選手が出てくるものです。ちなみに去年は3名が重複しました。今年も3名前後が重複すると思われます。
まずは、去年同様に「今年のSG優勝者」の鈴木圭一郎選手と青山周平選手は、「各場競走成績第1位者」で確実に重複すると思います。
次に「各場競走成績第1位者」の他の3名が誰になるか?
飯塚は荒尾聡選手、川口は若井友和選手、永井大介選手、中村雅人選手あたり、山陽は丹村飛竜選手か松尾啓史選手でしょうか?
そして今回のSG日本選手権で、重複しない新たな優勝者が現れるか?
話が複雑になりましたが、最終的に私なりの見解を言わせて頂きますと、「今年のSG優勝者」と「各場競走成績第1位者」の枠は5名前後だと思われます。よって「ポイント獲得上位者」の枠は11名前後になるかと。
ちなみに、現在の「ポイント獲得上位者」は以下のようになっています。
1位 早川清太郎 :17点
2位 丹村飛竜 :15点
3位 永井大介 :13点
3位 加賀谷建明 :13点
5位 篠原睦 :7点
6位 荒尾聡 :5点
6位 有吉辰也 :5点
8位 木村武之 :5点(SG優出が無く同点中優先順位下位)
9位 中村雅人 :2点
10位 高宗良次 :1点
10位 小林瑞季 :1点
今年はポイント獲得の開催が少ないせいか、まだ11名しかポイントを獲得していないんですよね。このように、もし今回のSG日本選手権で新たなポイント獲得者が現れないと、上記の選手達は、ほぼ全員確定になる状況です。
これに加え、現在ポイントを獲得している荒尾聡選手や丹村飛竜選手などは「各場競走成績第1位者」の枠に入る可能性がありますので、ここから2名ぐらい外れる可能性も高いです。そうなれば、ポイント獲得者は9名前後となり、ここでのポイント争いとなります。
となると、まだポイントが無い選手でも、今回のSG日本選手権で優出さえできればSS出場が見えてきます。7着の2点を取れば十分で、8着の1点でも可能性がかなりあるのではないでしょうか。
[SGレース優勝戦ポイント]
優勝:出場
2着:15
3着:10
4着:7
5着:5
6着:3
7着:2
8着:1
そんな中、本来はSG優出の常連組で、今年はまだポイントが無いのが高橋貢選手、金子大輔選手、佐藤貴也選手、佐藤摩弥選手、松尾啓史選手などなど。
その他にもたくさんの選手が何が何でも優出を狙ってきそうですね。
今年のSG日本選手権はSSポイント争奪戦としても、いつも以上に白熱しそうです。
■吉田修叶
勢い止まらない青山周平選手。
そんな青山周選手を攻略する方法はあるのだろうか・・・
と自分なりに考えたことがありましたので、今回は「青山周平選手の攻略法を考える」をテーマに話したいと思います。
まずは、先日の飯塚GIダイヤモンドレース優勝戦。
私自身も連日、飯塚オートに足を運んで観戦。コロナ禍の影響で欠場選手も多く、7車や6車立てで予選が行われたのが非常に残念でした。そんな中、優勝候補の青山周選手、鈴木圭選手は順当に勝ち上がりを決め、迎えた優勝戦。
現地で観戦した感想として、青山周選手の強さを改めて実感。明らかに車気配は鈴木圭選手の方が強め。いつもは画面越しに青山周選手の勝つシーンを見て、誰かインに飛び込めないのかな? と疑問に思っていました。
今回の鈴木圭選手ならやってくれる、と思いましたが最後まで行けず。青山周選手の高速イン走法を生で見て思ったのが、あのスピードでインを走られたら、後ろの選手は突っ込んでも流れてしまう。一度先頭に立つ展開を作られると、さばくのは困難。
SGオートレースグランプリ優勝戦で早川清選手がインに飛び込んだのが、どれだけすごいことなのか分かりました。近況もSG、G1開催を連続で優勝して勢いは変わらない状況。今回のSG日本選手権では、打倒青山周平に燃える選手が多いでしょう。
そこで、私見で恐縮ですが青山周平攻略法を考えてみました。
参考にして欲しいレースは二つ。
1.SG第34回SG全日本選抜オートレース(浜松)
2.SG第53回日本選手権オートレース(浜松)
こちらのレースは、先頭の青山周選手が後ろの選手を牽制して走り、3番手で走る選手がその隙をとらえて優勝を決めています。
SG全日本選抜では荒尾選手、SG日本選手権では鈴木圭選手が3番手から展開をとらえて優勝を決めています。現状の青山周選手のマシンが仕上がっている状況では、1対1では勝つのは厳しいと考えます。特に優勝戦で1号車を選択されると、トップスタートを決めてそのまま逃げ切って優勝。このパターンは必勝パターンになっています。
攻略法のポイントとして…
○1対1の状況では無く、1対2の展開を作り、その隙を狙う
○トップスタートを決めて逃げ切る
○雨なら勝機は必ずある
近況1対1の状況では、早川清選手や鈴木圭選手の実力者でも仕掛けるのは困難でした。もう一人誰かがいれば、違う展開もあったのではないでしょうか。
スタートに関しては、ダイヤモンドレース予選のコメントで飯塚のスタートは苦手と語っており、他の選手が先行するシーンもあるのでは。
勝てる展開が一番考えられたのは雨。近況、青山周選手の雨はイン走法。飯塚は外コースが利いており、苦戦するシーンを考えるなら晴れよりも雨かな思いました。
さあ、今回のSG日本選手権で青山周選手の勢いをストップさせる選手が現れるのでしょうか。ぜひ、飯塚本場でハルクの走りにご注目を。