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【第2回】選手のコメントを読み解く(緒方浩一・渡辺篤・益春菜)




益春菜(32期、川口)~正直女王~

こんな言い方をしたら、ある意味で失礼になってしまうかもしれませんが、益選手はあまりに無防備で、あまりに大らかで、とてつもなくスケールの大きい人間です。
だから、顔見知りの記者、初対面の記者を問わず、質問されたことには何でも、包み隠すことなく、ありのままの状態を自然体で伝えてくれます

状態がいい時はいい、だめな時はだめ、妙なオブラートに包まず、本当にダイレクトに的確にコメントしてくれます。
これほど情報をおおらかに提供してくれる選手は珍しいです。益さんが「だめです」とコメントした時は翌日の結果も優れない時がほとんです。
「超拔ですね!」と笑顔でいう時は、好走する時が圧倒的に多いです。

自分としては、楽しいエピソードがあります。
益さんが大事な局面のレースを迎えました。ある記者から「プレッシャーはありますか?」と聞かれました。
益さんは「ないですよ~。だって、モトクロスの時はもっと緊張しましたからね!」

それを聞いた自分はお節介に助言しました。
益さん、確かにもちろんその通りですが、”モトクロスですごい修羅場を経験したので、そのお陰で緊張は少ないです”と言った方がよいのかもしれません」と言うと、
益さんは「そうなんですよね!私もそう伝えたかったんです。いつも言葉が足らずにすみませんです。全く悪気はないですが…」

益さんサービス精神が過剰すぎるぐらい旺盛です。
取材をして、益さんを敬遠する記者は誰もいないんじゃないですか。

32期生では片野利沙選手が”天然”キャラとして、知られていますが、自分の感覚では益さんの方がはるかに天然ガールです。
100%いい意味で。人間としての器が違います。

(文責・淡路哲雄)


レースデータ提供:公益財団法人JKA
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