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ナイター開催の車券戦術

○●沢朋之○●
今年度から5場体制となったオートレース業界。
5場中3場でナイター開催が可能ということで、この夏は一気にナイターが中心となったイメージ。
というわけで、今回は前回の「場外・ネット投票での車券戦術」に続き、ナイター開催における車券戦術の秘中の秘(あるのか?)を皆さんに語っていただきたい。

私はといえば、この8~9月、伊勢崎ナイターを2節(SGグランプリ・G1ムーンライト)取材して感じたのは「昼間レースとナイターレースでは全く車状態が変わる」ということ。
もう当然のこととして周知されているとは思うが、ここ近年は特に強く感じる。
エンジンのせいか?タイヤとの兼ね合いのせいか? 

なので、昨日昼間のレースで動いたエンジンが今日ナイターになって動くとは限らないし、もちろん選手はいわゆる「時間帯合わせ」の整備をしてくるのだが、それもうまくいくとは限らない。
試走で判断しようにも、試走とレースの間でまたエンジン状態に変化が生じることも少なくなく、ハッキリ言ってしまえば「何もアテになるファクターがない(ことがままある)」。

そんな中、現時点で私が推奨する車券戦術は…

①とにかく従来より「手広く」構えること。
②選手コメントの「(エンジン)昼に合ってる」「夜に合ってる」をよく読むこと
の2点。


に関しては、例えばまず軽ハン・内枠の中でも逃げそうな車(A)、追い込みの一番手となりそうな車(B)を両方アタマに据え、アタマはなさそうだが逃げ残り2着はありそうな車(C)、もしくはアタマまでは届かないが追い込んで連下まで届きそうな車(D)を2着に加え、3着は総流し。
『ABーABC(D)ー全』というような車券の組み方だ。

これだと基本24点買いとなるが、これはさすがに3着にも来ないだろうという車を切ることにより点数を減らすことは可能だし(高配当ゲットのためにはあくまで流すべきだが)、先日の伊勢崎ムーンライトを思い出してみれば、荒れるナイター開催では手広く買っても1日1・2レースも的中させれば十分プラスになる。

あと、上記の伊勢崎2節を取材して最も痛切に感じたのがだ。
伊勢崎では「このエンジンは昼間は全く動かないので、ナイターの時間帯に組まれることを祈るだけ」というような極端な選手もいたし、あきらめないまでも「何をやっても昼間は(逆に夜は)動き良くない」という選手は数多くいた。
車券を買う側としてはこれはもちろん把握しておくべきで、情報が即、車券に結びついてくることも多いように思う。

的中率が低いのはイヤだ、という向きには黙って2連単での勝負をお勧めしたい。
かように昨今のナイター開催は「難しい・荒れる」と言っておきたい。


○●ジェット社○●
ナイター開催の車券戦術」とは、今回も難しいネタですね(苦笑)。

今年になって川口ナイターに加え、飯塚ではミッドナイトが本格化しましたので、夜間のレースが一気に増えましたよね。
これから始まる飯塚G1プレミアムCに続き、ミッドナイト、川口ナイター普通開催、そしてSG全日本選抜と、まだナイター開催が多く残っていますので、参考になれるように語らせて頂きます。

まず、ナイターでは時間帯で選手の走りが変わってしまう事が大きなポイントですよね。
ミッドナイトはさて置き、通常ナイター開催は1レースが15時頃からに対して、最終の12レースは20時半頃となり走路温度の差がかなり大きいです。
直近の伊勢崎ムーンライトを例にしますと、1レースの走路温度が約50℃前後あるのに対し、12レースには30℃付近まで下がり、その差は20℃に及びます。

選手達は夏場は主に足回りはもちろん、エンジンの馬力を抑えるなど、滑り対策をされる選手が多いと思います。
そのような事から、日中は動いても、夜間では力強さが無くてタイムが出ない事もあるでしょう。
逆に、馬力があって日中は滑って動かなくても、夜間になると食い付いて動きが活発になる場合もあると思います。

その辺を調整して当たってくれれば良いのですが、マシンは精密ですし、その時の気候と走路状態の少しの差で、思うように変化してくれないものだと思います。

この辺を踏まえて、私なりの予想する上で気を付けているポイントは↓

1・走った時間帯の足色を重視する。
→例えば、ある選手が4レースで快勝して、後日また4レースに出走なら試走に変化が無ければ、同じ動きがあると信用し、逆に動いていない場合は動かないだろうと予測し、選手毎に時間帯での動きを重視しています。

2・試走気配の変化を見逃さない。
→これはナイターに限らない事ですが、選手達は勝つために精一杯に整備をしています。
いきなりマッチする場合もありますので、選手毎の直近の試走タイムと気配を頭に入れて、良化したサインを見逃さないようにしています。

3・選手コメントを参考にする。
→これは沢さんと全く同じ意見です(笑)。
「昼に合ってる」「夜に合ってる」などのマシン状態のコメントはすごく参考になります。

あと余談として、以前にまっすぅ記者も言っていた事ですが、伊勢崎・川口などは、暗くなる9レースあたりから30℃前半まで走路温度が下がる傾向がありますが、飯塚は日の入りが関東に比べて約30分遅いため、普通では冷えるであろう9レースあたりも、まだ走路温度が高い傾向があります。
7月末のG1ダイヤモンドレースの最終日の走路温度は、9Rで43℃、10Rは40℃、11Rは39℃、12Rは37℃。
このように走路温度が下がるのが遅いので、飯塚の場合は、後半のレースでも前逃げを警戒したりしています。


○●まっすぅ○●
現在3場で開催されているナイター開催ですが、私が近況担当している飯塚オートではミッドナイト開催の影響か、今年度はナイター開催がまだ1回。次のプレミアムCで2回目となります。
飯塚オートファンにとっては、いつもより少し寂しい夏となっているようですね。
私自身も、ナイター開催よりもミッドナイト開催が中心となっていて、ナイター開催の予想をする機会がなかったのですが、その分プライベートの方で楽しませていただいていました。

昼間と夜では全く気候が変わってしまうので、選手も昼間の練習はほぼ参考外と言った様子。
中には、「昼でも夜でも変わらず良い」と言ったコメントも有りますが、概ね「昼は(または夜は)良い」とどちらかに偏る傾向があります。

また、エンジン状態だけでなく「ナイターは見えづらくて苦手」と話す人がいたり、「ナイター照明の影響で、影がいくつも見えて上手くコース取りが出来ない」など、いろいろな要因でナイター開催を苦手とする選手もいるので、私も沢さん同様選手コメントはかなり重要視します。

あとは早いレースは気温もかなり高くなるので、軽ハン勢の逃げも狙ってちょっと手広く買いますが、ナイターの時間帯は気温も下がるので、重ハン勢の試走がしっかり出れば軸にして買うことが多いですね。

ナイターは成績表を見ても、昼と夜ではタイム差もありますので、データを見比べるのも大変。
でもこのあたりの情報をしっかり把握できれば、なかなか良い配当をゲットできることも少なくないので、是非高配当をゲットしていただきたいですね。

最後に、ナイター開催と言えば名物の夕立ち。
今年はやや少なかった印象も有りますが、前売りで買う方は十分気をつけてください。

レースデータ提供:公益財団法人JKA
(C)Autorace Mobile
(C)2024 CYBIRD